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かたちの不思議をたのしむ:綴化(てっか)という植物の個性

植物を見ていて、「これは本当に自然の姿?」と思わされる瞬間があります。葉や茎がねじれたり、波打ったり、扇のように広がっていたり。そんな不思議な形の植物たちに出会ったとき、そこには“綴化(てっか)”という現象が隠れているかもしれません。

綴化とは、本来点のように成長する部分(成長点)が何らかのきっかけで線状に広がり、帯のように成長してしまうこと。すると、茎はひとすじではなく、横に広がっていき、植物はまるで彫刻のような、どこかアート作品を思わせる姿になります。

この現象は多くの場合、突然変異によって自然に起こります。強い日差しや傷、気温の急変などがきっかけとなることもあります。特に多肉植物やサボテンの仲間では綴化個体が多く、コレクターたちにとっては「一点もの」として重宝されています。

ただし、見た目のインパクトに反して、綴化個体は少しデリケート。成長はゆっくりで、通気や湿度に注意しながら育てる必要があります。けれど、そうした手間の分だけ、その植物との時間は特別なものになるでしょう。

まっすぐに育つだけが、美しさではない。ちょっと曲がって、広がって、常識の枠をはみ出したその姿は、自然の創意と偶然が生んだ“逸品”なのです。